あなたは「K2 インベストメント(K2 Investment 株式会社)」という会社をご存知でしょうか?
K2インベストメントは金融商品取引法に違反し、2013年に金融庁(関東財務局)より行政処分を受けています。それにも関わらず、K2インベストメントは業務の改善を図らず、2014年には金融商品取引業者の登録を取り消されてしまいました。
K2インベストメントとはどのような会社だったのでしょうか? また、いったいなぜこのような事態が起こってしまったのでしょうか?
今回は「K2インベストメントの会社概要」や「K2インベストメントが受けた行政処分」などについてお話していきます。この会社を批判するわけではありませんが、どのようなことが起こったのか、事実として知っておいて頂きたいと思います。
もくじ
1、K2インベストメントの会社概要
・ホームページからメルマガ登録ができました
2、K2インベストメントが受けた行政処分
3、K2インベストメントが勧めている金融商品
・インベスターズトラスト S&P500 Index
・オフショア資産管理口座
4、K2インベストメントと契約してはいけない
K2インベストメントの会社概要
K2インベストメントは香港にある投資会社です。インベスターズトラストなどの海外金融機関を勧めていることからも、IFAとしての業務を行っていることが伺えます。
K2インベストメントの会社概要がこちらです(K2インベストメントのホームページから抜粋)。
ここでどうしても気になるのが、所在地が香港であるにも関わらず、電話番号が東京都になっていることです。
つまり、香港で業務を行っているように見せかけ、実際は日本国内で活動を行っていることになります。
そもそもホームページはすべて日本語ですし、日本人顧客を狙っているとしか思えません。
行政処分を受けたことや金融商品取引業者の登録を取り消されてしまったことなどもあり、日本国内で業務を行えないからこのような体制を取らざるを得ないのだと思います。
ホームページからメルマガ登録ができました
K2インベストメントのホームページを見ていると、メルマガ登録ができることに気付きました。
実際に登録してみると、金融商品を紹介するメルマガが届くようになりました。基本的に毎日配信されるようです。
また、有料会員(シルバー会員:月々1,000円、ゴールド会員:月々5,000円)や有料相談への誘導(1,000円~5,000円)も見られました。
比較的安価には思えますが、行政処分を受けた過去を考えると、どうしても怪しく思えてしまいます。
K2インベストメントが受けた行政処分
次に、K2インベストメントが受けた行政処分について確認していきます。下記のように、行政処分を受けたことは、現在でも金融庁のホームページで確認できます。
また、より詳しい処分内容が記載されているのがこちらです。
一度目の行政処分
二度目の行政処分
ここまでの処分を受けてしまうと、日本国内で業務を行うことはできません。言い方は良くありませんが、海外逃亡のような形を取らざるを得なかったのだと思います。
K2インベストメントが勧めている金融商品
ホームページやメルマガを見ると、色々な金融商品を勧めているようですが、特に気になったのが「インベスターズトラストのS&P500 Index」と「オフショア資産管理口座」です。
インベスターズトラスト S&P500 Index
「S&P500 Index」はインベスターズトラストの主力商品です。その名の通り、アメリカの上位500社の株価を反映しているS&P500のインデックス指数に連動した運用成果となります。
もう一つの主力商品である「Evolution | エボリューション」と違い、元本確保という特徴があります。
日本人は「元本確保」という言葉に弱いので、この商品が魅力に思えるかもしれません。ただ、実際はいくつかのデメリットがあります。
デメリット1、積立を停止すると元本が保障されない
元本が確保されている代わりに、契約時に決めた期間は積み立てを続ければなりません。途中で積み立てを停止してしまった場合など、条件を満たせなくなると元本が保障されなくなることがあります。
デメリット2、利回りが良くない
S&P500 Indexは利回りが良くありません。元本が確保されている代わりに、運用成績が良くても顧客の資産に反映されないのです。
「満期時に保障される受取金」は積立金に対して下記の割合になります。
満期時に保障される受取金:10年…100%、15年…140%、20年…160%
この中では、15年のプランが人気です。15年プランでは、積立金に対して140%の資金が確保されています。
ただ、平均利回りで考えると、わずか3,4%程度です。海外投資ではさらに良い利回りを狙えるのにも関わらず、この程度の利回りで終わらせてしまうのはもったいないです。
オフショア資産管理口座
この商品は「オフショアで資産を管理する口座を開設する」という、その名の通りの商品です。
目新しさを強調していますが、既存のオフショア金融商品を組み合わせていることが伺えます。
また、開設金額は300万円以上と高額です。それほどの金額を払うなら、あえてこの商品でなくてもよいでしょう。
※オフショアの金融商品は簡単に作れる
あまり知られていませんが、オフショアの金融商品は簡単に作れます。そのため、容易に目新しさを出すことができます。
顧客は「新商品が出た!」と思いますが、実際はそのようなことはありません。結局のところ、その商品の中身を構成しているのは以前から存在しているファンドなのです。
業者の「見せ方」に惑わされずに、王道となる金融商品を選ぶようにしましょう。海外投資でマニアックな金融商品を選ぶのは危険です。
K2インベストメントと契約してはいけない
今回は「K2インベストメント」について、会社概要や行政処分、勧めている金融商品などを紹介してきました。
改めて言うまでもないですが、やはりK2インベストメントとは契約しない方がよいでしょう。理由としては下記のとおりです。
・二度の行政処分を受けている
・勧めている金融商品が良くない
もし誰かにK2インベストメントを勧められたら警戒した方が良いと思います。私の知人もK2インベストメントと契約しようとしていた人がいますが、引き留めておきました。
一般の方は海外投資に馴染みがありませんが、それでもある程度の知識は身に付けた上で、自分で判断できるようになることが大切です。