海外積立商品の王道はRL360゜の「Regular Savings Plan | RSP」といわれています。実際に香港のIFAや国内の投資顧問会社は、この商品を勧めることが多いです。
Regular Savings Planがリリースされる前は、「クアンタム」がRL360のメイン商品でした。商品構成はRegular Savings Planとほぼ同じですが、手数料や対象年齢に多少の違いがあります。
今回は「Regular Savings Plan(新商品)とクアンタム(旧商品)の違い」について解説していきます。現在ではクアンタムを契約することはできませんが、どのような違いがあったのかを把握しておきましょう。
もくじ
1、RL360°(旧 ロイヤルロンドン360°)とは?
・RL360°(旧 ロイヤルロンドン360°)の会社概要、歴史、背景
2、Regular Savings Plan(新商品)とクアンタム(旧商品)の違い
・契約手数料
・共同名義契約の対象年齢
・受託者の権利
3、まとめ
4、YouTube動画はこちら!
RL360゜(旧 ロイヤルロンドン360°)とは?
はじめに、マン島の金融機関であるRL360゜(旧 ロイヤルロンドン360°)を紹介していきます。RL360゜はとても歴史が古く、信頼性が高い金融機関として有名です。
RL360°(旧 ロイヤルロンドン360°)の会社概要、歴史、背景
・RL360°が属していたロイヤルロンドングループはイギリス系最大手の投資信託・保険会社として1861年に設立した。
・2013年11月に親会社であったロイヤルロンドングループより独立し、社名がロイヤルロンドン360°からRL360°に変更された。
※ロイヤルロンドングループはRL360゜の20%以上の株式を保有しており、両者は現在も密接に関わっている。
・現在はInternational Financial Group Limitedの傘下に入っている。
※Friends Provident International LimitedもInternational Financial Group Limitedの傘下
International Financial Group Limited 公式ホームページ
・RL360°の独立時には、プライベート・エクイティ会社である「ヴィトルヴィアン・パートナズ」から財政援助を受けた。また、世界的な再保険会社である「ミュンヘン再保険会社」からも支援を受けている。さらに、親会社であるロイヤルロンドングループからの長期融資を受けたことにより、安定した経営が続いている。
・RL360°は世界170ヶ国以上で事業を行っている。
・本社:マン島(International House, Cooil Road, Douglas,Isle of Man, IM2 2SP, British Isles)
マン島
・独自の自治権を持つイギリス王室属領
・議会制度(法律を決める制度)は1,000年近く続いており、世界最古といわれている
・投資家保護法により、マン島の金融機関に預けている資産の最大90%をマン島政府が保証してくれる(積立金だけでなく、資産運用によって得た利益も投資家保護法の対象になる)
・2008年に施行された保険法に基づき、マン島のすべての会社は、投資家の資産の100%を契約先の機関から完全に分離することが義務付けられている
・オフィス:ドバイ、南アフリカ、香港、レバノン、マレーシア、ウルグアイ
・AKG Actuaries and Consultants Ltd(金融機関の格付けを提供することに特化した会社)、よりオフショア保険会社最高の格付けである「B+」を獲得した。また、MOODY’S(ムーディーズ)ではAa2(信用力が高いと判断され、信用リスクが極めて低い)、S&PではAA(金融債務を履行する能力は非常に高く、最上位の「AAA」との差は小さい)を獲得した。
それでは次に、メイン商品である「Regular Savings Plan」と旧商品である「クアンタム」の違いを紹介していきます。
Regular Savings Plan(新商品)とクアンタム(旧商品)の違い
Regular Savings Planとクアンタムには3つの違いがあります。それぞれを順に紹介していきます。
1、契約手数料
契約手数料とは、「契約を維持するためにかかる手数料」のことです。一定の金額が毎月徴収されます。
【Regular Savings Plan】
日本円:775円、米ドル:7米ドル、香港ドル:50香港ドル
【クアンタム】
日本円:850円、米ドル:8米ドル、香港ドル:62.5香港ドル
わずかな違いではありますが、契約手数料はRegular Savings Planの方が安いです。
2、共同名義契約の対象年齢
海外の金融商品は、「共同名義」で契約することができます。自分一人ではなく、夫婦や親子で契約するということです。
また、海外積立商品には積立できる年齢に上限があります。そして、共同名義の場合は、どちらかが年齢制限の対象になるのです。
【Regular Savings Plan】
年上の契約者が対象
【クアンタム】
年下の契約者が対象
例えば、60歳の父親と30歳の息子が共同名義で契約したとします。この場合、Regular Savings Planであれば60歳の父親が、クアンタムであれば30歳の息子が対象になります。
いずれの商品も積み立ては70歳までしかできないため、同じ共同名義であっても積み立てできる年数に違いが現れます。
クアンタムであれば30年間積み立てられますが(商品構成により最長30年間)、Regular Savings Planだと10年間しか積み立てられません。年上の契約者が年齢制限の対象になるからです。
つまり、共同名義契約の対象年齢でいうと、クアンタムの方がメリットがあることになります。
3、受託者の権利
契約者が死亡した場合は、予め設定していた人が受託者(資産を管理・運用する人)になります。例えば、「契約者=夫」で「受託者=妻」と設定していた場合、夫が死亡したときに資産の権利は妻に移ります。
この資産の権利が移るときに、商品によって違いがあるのです。
【Regular Savings Plan】
受託者にプランの権利が移る。死亡時から90日以内に死亡申告手続きを行うと、解約手数料がかかることなく時価総額を死亡保険金として受け取ることができる。
【クアンタム】
受託者にプランの権利が移る。資産を受け取る場合は、解約手数料がかかる。
クアンタムであれば、資産を現金化する場合に解約手数料がかかってしまいます。そのため、契約期間が数年くらいだと、損をしてしまう可能性があるのです。
ただ、Regular Savings Planであれば、解約手数料がかかることなく資産を現金化できます。よほどの初期でなければ、損をすることはまずありません。
まとめ
今回紹介してきたように、「Regular Savings Plan(新商品)」と「クアンタム(旧商品)」にはいくつかの違いがあります。
とくに「3、受託者の権利」については、大きな違いといえます。クアンタムであれば、万が一のときに資産が目減りすることがあるからです。ただ、Regular Savings Planではそのような可能性は低いです。
このような違いを鑑みると、Regular Savings Planはクアンタムの改良版といえると思います。Regular Savings Planについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。当サイトで最もアクセスを集めている記事になります。