インベスターズトラスト(Investors Trust)のエボリューション(Evolution)といえば、「手数料が安い」ことで有名です。実際に多くの業者が「エボリューションは手数料が安い」と謳って、契約を促してきます。
ただ、他の海外金融商品と比べて、どれくらい安いか分かっていない人は多いです。契約者だけでなく、商品を勧めてくる業者も理解していないことがあります。
実際は「どちらかというと手数料が安い」くらいの感覚です。他の金融商品に比べて、ものすごく手数料が安いわけではありません。
そこで今回は「エボリューションの手数料」について詳細に解説していきます。今回の記事を参考に、手数料の実態を把握しておきましょう。
もくじ
1、エボリューションとは?
2、エボリューションの「4つ」の手数料
・契約手数料 毎月7ドル
・初期口座管理手数料 1.9%⇒0.35%
・投資口座管理手数料 年間1.5%
・信託報酬 年間1%
3、エボリューションの「2つ」のボーナス
・エキストラアロケーション 1~5%
・ロイヤリティボーナス 7.5%⇒5%(5年ごとに付与)
4、エボリューションのコストは算出できる
5、実際のコストは「2.5%」
6、運用成績が良いIFAに任せればコストは関係ない
7、まとめ
8、YouTube動画はこちら!
エボリューション(Evolution)とは?
エボリューション(Evolution)はインベスターズトラストの主力商品です。インベスターズトラストの中では一番人気の商品になります。
エボリューションの詳細については、下記の記事をご参考ください。
今回の記事では「手数料」と「ボーナス」に焦点を当てて、解説していきます。
エボリューションの「4つ」の手数料
エボリューションには、以下の4つの手数料がかかります。
契約手数料
米ドル:7米ドル、ユーロ:7ユーロ、イギリスポンド:4.5イギリスポンドを毎月徴収
初期口座管理手数料
最初の10年間:累計積立額×1.9%を毎年徴収
11年目以降:累計積立額×0.35%を毎年徴収
投資口座管理手数料
時価総額×0.125%を毎月徴収
信託報酬 ※IFAによって異なる
時価総額×0.25~0.375%を四半期ごとに徴収
※ 上記の手数料以外に、追加で一括投資を行った場合は「投資額×7%」の手数料がかかります。ただ、積立投資で一括投資を行うことはないので、基本的にこの手数料はかかりません。
エボリューションの「2つ」のボーナス
エボリューションには、以下の2つのボーナスが付与されます。
エキストラアロケーション
積立時に毎回付与されるボーナス
※積み立てを一時停止してしまうと、付与されなくなる
※積立額が大きいほど、付与されるボーナスも大きくなる
※下記積立額以上の場合に、積立金額の1%が付与される
米ドル:150ドル
ユーロ:150ユーロ
イギリスポンド:150イギリスポンド
※下記積立額以上の場合に、積立金額の2%が付与される
米ドル:300ドル
ユーロ:300ユーロ
イギリスポンド:300イギリスポンド
※下記積立額以上の場合に、積立金額の3%が付与される
米ドル:450ドル
ユーロ:450ユーロ
イギリスポンド:450イギリスポンド
※下記積立額以上の場合に、積立金額の4%が付与される
米ドル:600ドル
ユーロ:600ユーロ
イギリスポンド:600イギリスポンド
※下記積立額以上の場合に、積立金額の5%が付与される
米ドル:1,125ドル
ユーロ:1,125ユーロ
イギリスポンド:1,125イギリスポンド
【例】
積立期間:25年
積立金額:500ドル
⇒積立時に毎回15ドル(500ドル×3%)が付与される
ロイヤリティボーナス
満期に付与されるボーナス
※10目から5年ごとに支給される
※積立停止、減額、取り崩しをした場合、それ以降のロイヤルティーボーナスを受け取ることができない
【積立年数】
10年:積立総額の7.5%
15年:過去5年間の積立総額の5%
20年:過去5年間の積立総額の5%
25年:過去5年間の積立総額の5%
エボリューションのコストは算出できる
エボリューションの契約手数料と初期口座管理手数料は契約時に確定します。それに対して、投資口座管理手数料と信託報酬は時価総額(運用成績)によって変動します。
また、エキストラアロケーションとロイヤリティボーナスも契約時に確定します。
そのため、契約手数料と初期口座管理手数料、エキストラアロケーションとロイヤリティボーナスの合計は算出することができるのです。
具体的には下記の「シミュレーター」を用います。積立年数と積立金額を入力することで、手数料の合計とボーナスの合計が計算できます。そして、実際にかかるコストを算出することができるのです。
積立年数が25年で、積立金額が500ドルの場合、コストは「540ドル」になります。積立金額の総額は15万ドル(「1ドル=100円」の場合、1,500万円)もあるので、ほとんど「±0」といってよいでしょう。
ただ、忘れてはいけないのが、投資口座管理手数料と信託報酬です。これらの手数料はこのシミュレーターには含まれていません。
そのため、実際のコストは投資口座管理手数料と信託報酬を加味して考えなくてはならないのです。
実際のコストは「2.5%」
上記で紹介したように、投資口座管理手数料は時価総額に対して年間1.5%、信託報酬は時価総額に対して年間1%かかります。合計すると、時価総額に対して年間2.5%のコストがかかります。
また、先ほどの具体例ではシミュレーターのコストはほとんど「±0」です。
つまり、これらすべてを鑑みると、実際のコストは「2.5%」ということになります。もちろん、積立年数や積立額によって変動しますが、概ねこれくらいのコストであると覚えておきましょう。
なかには、ここまでの内容をきちんと説明しない業者(きちんと説明できない業者)もいます。そのような業者に海外投資を任せるのは危険です。契約時に適切な対応ができないということは、契約後のフォローにも不安があります。
やはり海外投資は「信頼できる正規代理店」に任せるようにしましょう。私も金融庁認可の投資顧問会社に所属しているFPに任せています。
運用成績が良いIFAに任せればコストは関係ない
実際のコストが2.5%もかかることを知ると、「あまり資産が増えないのでは?」と思うかもしれません。
確かに運用成績が悪いと、資産がほとんど増えません。ただ、運用成績がよければ、2.5%のコストがかかっても資産を増やすことができます。
下記のデータを見てください。これは積み立てを行う場合に発行される「イラストレーション」という資料です。
この資料では「実際のコスト」が省かれています。つまり、契約者の手元に残る資金が表示されているのです。
実際のコストを平均2.5%とします。平均利回りが11.5%であれば、手元には9%(赤枠)の資産が残ります。
このとき、25年後以降の積立額は2,557万円(緑枠)であるのに対し、資産は5,901万円、8,100万円、1億5,268万円と増え続けていきます。コストはかかっていますが、運用成績が良いのでこのようになるのです。
このことから、運用成績が良いIFA(海外投資の運用プランを考える投資会社)に任せれば、多少のコストがかかっても問題ありません。裏を返すと、IFA選びは非常に重要です。よくよく吟味し、慎重に選ぶようにしてください。
香港に数あるIFAのなかでも、特に運用成績が良いのがアドミニストレーション。
まとめ
今回は「エボリューションの実際のコスト」についてお話してきました。積立年数や積立額によって変動しますが、だいたい2.5%くらいのコストになります。
そのため、他の海外金融商品に比べて、極端に手数料が安いということはありません。
エボリューションを契約するなら、若干手数料が高くても「RL360のRegular Savings Plan」を選んだ方が無難です。金融機関の歴史や信頼性が高いからです。
実際に大手IFAは「RL360のRegular Savings Plan」を推奨しています。多少のコスト差は、IFAの運用成績がカバーしれくれます。
海外投資を始める際は、手数料だけでなく、金融機関や金融商品、IFAなど、さまざまな要因を鑑みて判断することが大切になります。